よく噛める入れ歯が脳を若返らせる?最新研究で明らかになった咀嚼とアンチエイジングの深い関係

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やはた歯科ブログ

入れ歯
2025/11/05

よく噛める入れ歯が脳を若返らせる?最新研究で明らかになった咀嚼とアンチエイジングの深い関係

「最近、物忘れが多くなって心配…」「いつまでも元気で若々しくいたい!」そんな悩みを抱えているあなたに、今日は驚くべき研究結果をお伝えします。実は、「しっかり噛む」ことが脳の若返りに直接つながることが、最新の科学研究で次々と明らかになっているのです。特に注目すべきは、歯を失ってしまった方でも、適切な入れ歯を使用することで脳の活性化効果が得られるという事実です。この記事では、なぜ噛むことが脳を活性化させるのか、その科学的なメカニズムから、実際にどのような入れ歯を選べば良いのかまで、専門的な内容を分かりやすく詳しく解説していきます!

そもそも「歯がない」と本当に認知症になりやすいの!?

「歯の本数が少ない人ほど認知症になりやすい」という話を聞いたことはありませんか?これは単なる都市伝説ではなく、科学的に裏付けられた事実なのです。次の研究データをご覧ください。

歯の喪失と認知機能に関する重要なデータ

  • 残っている歯の数が少ない高齢者ほど、記憶を司る「海馬」付近の脳容積が減少
  • 歯を失って入れ歯を使用していない人は、認知機能障害のリスクが1.27倍に増加
  • しかし、歯を失っても適切な入れ歯を使用している人のリスクは1.02倍とリスクは変わらない

出典:Ma X, Zhang Y, Wang J, et al. Association between denture restoration for tooth loss and cognitive impairment: A systematic review and meta-analysis. Journal of Prosthodontic Research. 2025;69(3):313-320.

このように歯がなくなってしまっても、適切な補綴治療(入れ歯治療)によって噛む機能を回復することで、脳の健康を守ることができます

なぜ「噛む」だけで脳が活性化するのか?そのメカニズムを徹底解説!

では、どのような仕組みで噛むことが脳を活性化させているのか気になりませんか?ここからは、脳科学研究に基づいて、そのメカニズムを段階的に詳しく見ていきましょう。

1. 脳血流を劇的に増加させる「天然のポンプ」効果!

しっかり噛む行為は、頭部の血管循環を良くし、脳全体の血流を著しく増加させることが分かっています。特に重要なのは、記憶や学習を司る「海馬」という部分が集中的に活性化されることです。

実際に、機能的磁気共鳴画像(fMRI)を用いた研究では、ガム咀嚼により以下の脳領域が活性化されることが確認されています:

  • 運動野:運動をコントロールする領域
  • 海馬:記憶の中枢となる領域
  • 前頭前野:思考や判断を司る高次機能領域

特に注目すべきは、高齢者のグループでガムを噛んだ後、海馬の活動が著しく増強され、短期記憶の成績が向上したという報告があることです。

出典: Onozuka M, et al. Chewing-Induced Enhancement of Cognitive Memory Associated with Increased Neuronal Activity in the Hippocampus and Prefrontal Cortex. Journal of Science and Exercise in Health Science. 2016;58(2):179-190.

2. 複雑な運動が神経ネットワークを総動員する!

あなたは普段意識していないかもしれませんが、咀嚼は実は非常に高度で複雑な運動なのです。食べ物の硬さや形を瞬時に判断し、力加減を調整し、舌で食塊を形成して飲み込む…この一連のプロセスが脳の広範囲の神経を刺激します。

※以下の図は、咀嚼時に活性化される脳領域の分布を示しています

咀嚼中に活性化される主な脳領域:

  1. 感覚運動野・補足運動野:運動のコントロール
  2. 島(とう):情動や身体感覚の認識
  3. 小脳:運動の学習・記憶
  4. 前頭前野:思考、行動の抑制、注意力を司る高次の機能

興味深いことに、高齢者になるほど前頭前野の活性化が顕著に見られるという研究結果も存在し、咀嚼が年齢を重ねることによる認知機能の衰えを抑制できる可能性を示しています。

出典: Lin CS, et al. Age-Related Difference in Functional Brain Connectivity of Mastication. Frontiers in Aging Neuroscience. 2017;9:82.

3. 「セントラルコマンド」と「マイネルト神経」の驚くべき関与とは!?

最新の基礎研究では、咀嚼に伴う脳血流増加の詳細な神経メカニズムが解明されています。そのキーとなるのが「セントラルコマンド」「マイネルト神経」です。

咀嚼による脳活性化の神経メカニズム

  1. 咀嚼運動がマイネルト神経細胞を活性化(※アルツハイマー型認知症では変性・脱落する重要な細胞)
  2. この活性化が大脳皮質の広範な領域で血流量を著しく増加
  3. 「噛もうとする意志」(セントラルコマンド)自体も脳活性化を誘発

この結果が示す最も興味深い点は何でしょうか?それは、たとえ噛む筋肉が弱っていても、噛むことをイメージするだけでも脳が活性化される可能性があるということです。これは高齢者の認知症予防の新しい方法の開発につながると期待されています。

出典: Hotta H, Suzuki H, Inoue T, Stewart M. Involvement of the basal nucleus of Meynert on regional cerebral cortical vasodilation associated with masticatory muscle activity in rats. Journal of Cerebral Blood Flow and Metabolism. 2020;40(4):777-790.

従来の入れ歯 vs 最新の高精度入れ歯!どこまで違うの?

ここまでお読みいただいて、「でも入れ歯って本当に効果があるの?」と疑問に思われる方もいらっしゃるでしょう。実は、入れ歯の種類や精度によって、得られる効果には大きな差があることが分かっています。

※以下の表で、保険の入れ歯と自費の高精度入れ歯の違いをご確認ください
項目 自費の入れ歯
(例:BPSデンチャー)
保険の入れ歯
(従来手法)
費用 高い 安い
使用素材 金属やシリコンなど多様 レジン(歯科用プラスチック)のみ
噛み心地 しっかり噛めて、食べ物の温度がよく伝わる 噛む力が弱く、温度も伝わりにくい
装着感 違和感・異物感がほとんどない 違和感・異物感を覚えやすい
見た目の自然さ 自然で目立ちにくい 目立ちやすい
口臭への影響 高密度で気泡が入りにくく、口臭を減らすことが可能 吸水性があり、口臭の原因になりやすい

実証済み!入れ歯でも確実に脳は活性化する

「でも、入れ歯で本当に脳は活性化するの?」そんな疑問をお持ちの方に、具体的な研究事例をご紹介しましょう。

高齢の無歯顎(歯が全くない)患者様に対して総義歯を装着し、咀嚼時の脳活動を調べた研究があります。その結果は驚くべきものでした:

総義歯装着による脳活動の回復

  • 無歯顎状態で活動が失われていた感覚野での活動が回復
  • 随意運動をコントロールする大脳基底核で再び活性化
  • 前頭前野でも賦活が認められた

この結果は、適切な歯科治療によって口腔機能を回復させることで、失われた運動・感覚処理をする脳部位の賦活を甦らせることが可能であることを科学的に証明しています。

出典: Yeung AWK, Leung WK. Functional Neuroplasticity of Adults with Partial or Complete Denture Rehabilitation with or without Implants: Evidence from fMRI Studies. Nutrients. 2023;15(7):1577.

最新技術「BPSデンチャー」とは?従来の入れ歯を超える理由

現在、入れ歯の分野で最も注目されている技術の一つが「BPSデンチャー」です。

革命的な「閉口機能印象」による型採りとは!?

従来の入れ歯作製との最も大きな違いは、型採りの方法にあります。

型採り方法の比較

従来の型採り:
口を開けた状態で行うことが多く、実際の使用時の状態を正確に再現しにくい

BPSデンチャーの型採り:
口を閉じた状態で行う「閉口機能印象」により、顎や筋肉の動き、咬合力(噛む力)、噛み合わせを詳細にチェック可能

この技術により、噛むときの歯の位置や力を正確に再現できるため、一般的な入れ歯に比べ、装着時の違和感が圧倒的に少ないという特徴があります。

品質の安定性も大きなメリット!

BPSデンチャーのもう一つの特徴は、作製者による品質の差がほとんどなく、安定した品質で提供されるという点です。これは、システム化された製作工程によるもので、どの歯科医院で作製しても一定レベル以上の品質が保証されます。

入れ歯を長持ちさせるために知っておくべきこと

どんなに優秀な入れ歯を作製しても、適切なメンテナンスがなければ長期間快適に使用することはできません。ここでは、入れ歯を長持ちさせるための重要なポイントをお伝えします。

なぜ定期的な調整が必要なの?

入れ歯を使用していると、顎の骨が徐々に痩せることで歯ぐきの形が変わってしまうため、定期的な調整が必要となります。この現象は避けることができない自然な変化ですが、適切な対応により入れ歯の寿命を大幅に延ばすことができます。

定期メンテナンスの内容:

  1. 適合性のチェック:歯ぐきとの密着度を確認
  2. 咬合調整:噛み合わせの微調整
  3. 清掃指導:正しいお手入れ方法の指導
  4. 口腔内検査:歯ぐきや残存歯の健康チェック

日常的なお手入れのポイント

毎日のお手入れも、入れ歯を長持ちさせる上で非常に重要です:

  • 食後の洗浄:食べかすや細菌の除去
  • 就寝前の洗浄:1日の汚れを確実に除去
  • 入れ歯用洗浄剤の使用:週2〜3回の化学的洗浄
  • 乾燥防止:就寝時は水に浸けて保管

あなたの健康な未来への第一歩!まとめと次のアクション

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。噛む力を維持することが、単に食事のためだけでなく、脳の健康と、ストレスに負けない豊かな人生のための重要な土台であることがお分かりいただけたでしょうか?

この記事のポイントをまとめると:

  1. 歯を失っても、適切な入れ歯により脳活性化効果は維持できる
  2. 咀嚼は海馬を活性化し、認知症予防に直結する
  3. 高精度な入れ歯(BPSデンチャーなど)は従来の入れ歯を大きく上回る効果が期待できる
  4. 定期的なメンテナンスにより、長期間の快適な使用が可能

あなたが今すぐできること

もしあなたが現在、以下のような状況でしたら、専門医への相談をお勧めします:

  • 入れ歯が合わずに痛みがある
  • しっかり噛めないため、食事を楽しめない
  • 入れ歯が外れやすく、人前で話すのが不安
  • 将来の認知症予防を真剣に考えている

健康寿命を延ばし、いつまでも自分らしく生活するために、失われた噛む機能を放置せず、適切な治療で回復することが最も重要な投資と言えるでしょう。

あなたの大切な未来のために、まずは信頼できる歯科医院で相談を受けてみてはいかがでしょうか。きっと、想像以上に快適で健康的な生活が待っているはずです。

この記事の監修

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八幡 智裕(やはた ともひろ)

当院は、平成10年10月、姫路市勝原区や網干区、太子町の患者様が多い歯科医院です。おかげさまで開院当初から、たくさんの患者様にご来院いただいています。「第一に患者様のことを考えた治療を行うこと」を何より大切にしており、患者さんとの相互理解を重要視し、患者様にご満足いただけるよう医院作りに努めています。

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日本歯科医師会 会員/兵庫県歯科医師会 会員/姫路歯科医師会 会員/国際歯周内科学研究会 会員/JPDA 有床義歯学会 会員/研修会筒井塾 咬合療法コース/山田先生エンドベーシックコース/大阪SJCDベーシックコース/大阪SJCDレギュラーコース/OSIインプラントセミナー/S.O.R.Gベーシックコース/JACID インプラント100hコース/CALLベーシックセミナー

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