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- 入れ歯
- 2025/11/15
全身疾患をお持ちの方へ:安全で快適な入れ歯治療という選択肢
「失った歯を補うならインプラントが良い」そう考えて歯科医院を受診したものの、「重度の糖尿病があるため、インプラント治療は難しいですね」と診断されて困っていませんか?
心臓疾患や腎臓病、骨粗鬆症などの全身疾患があると、外科手術を伴うインプラント治療はリスクが高くなってしまいます。「もう快適に噛むことは諦めるしかないのか…」と不安になってしまう方も多いでしょう。
でも、安心してください。インプラント治療が困難な方にとって、現代の専門的な入れ歯治療は、安全性が高く、かつ機能性と快適性を追求した優れた治療選択肢となります。
この記事では、全身疾患をお持ちの方が外科的なリスクを避けて安全に治療を受けられる入れ歯治療のメリットと最新技術について詳しく解説していきます!
そもそも、なぜインプラント治療が困難なケースがあるのでしょうか?
まずは、インプラント治療が全身疾患を持つ方にとって難しい場合がある理由について、詳しく見ていきましょう。
インプラント治療で全身状態の確認が必須な理由
インプラント治療は、顎の骨にチタン製の人工歯根を埋め込む外科手術を伴う治療です。そのため、通常の歯科治療以上に詳細な全身状態の把握が必要とされます。
では、なぜ外科手術が問題となるのでしょうか?それは、手術による感染リスク、治癒不全、出血などの合併症が、全身疾患により大幅に高まる可能性があるからです。
絶対的禁忌症と相対的禁忌症って何?
インプラント治療では、全身の状態から治療を行ってはならない症例を「禁忌症」と呼びます。これには以下の2つの種類があります:
- 絶対的禁忌症:どのような条件下でも治療を行うべきでない状態
- 相対的禁忌症:条件が整えば治療可能な場合もある状態
具体的にどのような疾患がリスクとなるのか
1. 糖尿病(特にコントロール不良の場合)1型糖尿病は基本的に絶対的禁忌症とされています。特に血糖値がコントロールされていない場合、以下のようなリスクが大幅に高まります:
- 感染と治癒の遅延:高血糖状態では微小血管が障害され、組織が低酸素状態になるため、傷の治りが非常に遅くなります
- 免疫機能の低下:手術後の感染リスクが健康な方の数倍に高まります
- 骨への悪影響:インプラントと骨が結合するオッセオインテグレーションという重要なプロセスが阻害される可能性があります
なお、2型糖尿病の場合は、血糖値が十分にコントロールされていれば治療可能な相対的禁忌症とされていますが、術前術後の厳格な血糖管理が不可欠です。
2. 重症心臓病・腎透析患者以下の疾患は、病状の改善が望めない場合、インプラント治療の絶対的禁忌症に該当します:
- 重症心臓病:手術による身体的ストレスが心臓に過度な負担をかけ、生命に関わるリスクとなる可能性があります
- 腎透析患者:腎機能障害は骨質の低下を引き起こし、免疫能の低下による感染リスクや出血傾向など、手術に対する多重のリスクがあります
3. 骨粗鬆症と特定の薬剤の使用骨粗鬆症自体は相対的禁忌症ですが、治療薬が大きな問題となります:
- ビスフォスフォネート系薬剤:骨粗鬆症の治療薬として広く使用されていますが、薬剤関連顎骨壊死(MRONJ)という深刻な合併症のリスクがあります
- MRONJ:顎の骨が死んでしまう難治性の病態で、一度発症すると治療が非常に困難になります
このように、インプラント治療は外科的なリスクや長期的な安定性の確保という点で、全身疾患を持つ方にとってはハイリスクな治療となる可能性があります。
全身疾患がある方が入れ歯を選ぶ最大のメリットとは?
「インプラントが難しいなら、もう諦めるしかないのでは?」そんな心配は不要です。現代の専門的な入れ歯治療は、全身疾患をお持ちの方が安全に、そして快適に噛む機能を取り戻すための最良の選択肢となります。
外科手術不要!これが入れ歯の最大の優位性
インプラント治療と比較した際の入れ歯の最大の優位性は、外科的な侵襲(手術)が一切不要という点です。
| 比較項目 | 入れ歯治療 | インプラント治療 | あなたへの価値 |
|---|---|---|---|
| 治療の安全性 | 外科手術が不要のため、全身疾患の影響を受けにくい | 外科手術が必要。感染や治癒不全のリスクを伴う | 心身への負担が極めて少ない |
| 全身管理の必要性 | 通常の歯科治療に準じた管理で十分 | 血糖値、血圧、服用薬など医科との厳密な連携が必須 | 治療に対するハードルが低い |
| 治療期間 | 比較的短期間(数週間〜数ヶ月)で完了 | 手術から最終的な歯が入るまで半年以上 | 早期に機能回復を実感できる |
| 治療費用 | 保険診療の選択肢があり、費用を抑えられる | 原則自費診療で高額(1本30-50万円程度) | 経済的な負担を軽減できる |
| 将来の対応 | 顎の変化に合わせて調整や作り直しが容易 | 骨量不足で追加手術が必要な場合がある | 口腔内の変化に柔軟に対応可能 |
最も注目すべきは、入れ歯が外科手術を避けたい方や手術リスクが高い方に最適だという点です。全身疾患を抱える方にとって、手術のリスクを負わずに機能回復を目指せるのは、極めて大きなメリットと言えるでしょう。
しっかり噛むことが全身の健康にもたらす素晴らしい効果
入れ歯治療の価値は、単に「噛める」ようになることだけではありません。実際に、よく噛むことが身体全体にもたらす効果について見てみましょう。
- 脳の活性化と認知症予防:咀嚼により脳の血流が改善し、特に記憶を司る海馬の部分が活性化されます。これはアンチエイジングや認知症予防に大きく貢献します
- 姿勢と全身バランスの改善:しっかり噛むことで顎周囲の筋肉が正常に働き、全身の筋力バランスが整い、姿勢が良くなることが報告されています
- 消化機能の向上:十分な咀嚼により消化が促進され、栄養吸収が改善されます
- 表情筋の維持:顔の筋肉が適切に使われることで、表情が豊かになり、見た目の若々しさも保たれます
入れ歯は、失った歯の機能回復だけでなく、あなたが全身の健康維持に取り組み、生き生きとした日常生活を送るための重要なパートナーとなるのです。
従来の入れ歯とは大違い!最新の専門的な入れ歯治療の実例
「入れ歯は噛めない」「見た目が悪い」「すぐに外れる」といったイメージをお持ちではありませんか?しかし、現代の専門的な入れ歯治療は劇的に進化しています。
従来の入れ歯の問題点を知っていますか?
保険診療で使用される従来の入れ歯には、以下のような制約がありました:
- 素材の限界:レジン(歯科用プラスチック)のため、衝撃に弱く割れやすい
- 吸水性の問題:水分や唾液を吸収し、口臭や細菌繁殖の原因となりやすい
- 厚みの制約:強度確保のため厚く作る必要があり、違和感が大きい
- 審美性の限界:金属のバネ(クラスプ)が目立ってしまう
最新技術で実現する快適な入れ歯
しかし、自費診療で選択できる高精度な入れ歯では、これらの問題が大幅に改善されています。具体的にどのような技術があるのか見てみましょう。
1. マグネットデンチャー(磁石式入れ歯)「金属のバネが見えるのが嫌だ」という審美的な悩みを解決する画期的な技術です。
- 仕組み:残っている歯の根の部分に磁性金属を取り付け、入れ歯側に磁石を埋め込むことで、磁力で固定します
- メリット:バネが不要で着脱が簡単、しっかりとした固定力、見た目が非常に自然
- 快適性:磁力による均等な吸着で、食事中のガタつきが大幅に軽減されます
2. 金属床義歯「金属の味がしないか心配」という疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょうが、現在使用される歯科用金属は味がしませんのでご安心ください。
- 優れた特性:チタンやコバルトクロム合金などの生体親和性の高い金属を使用
- 薄くて丈夫:プラスチックの約1/3の厚さで作製でき、違和感が大幅に軽減
- 熱伝導性:食べ物の温度を感じやすく、食事がより美味しく感じられます
- 耐久性:万が一割れても修理が可能で、長期間使用できます
3. ノンクラスプデンチャー金属のバネを使わない部分入れ歯の代表的な技術です。
- 審美性:歯茎の色に近い材料で作られ、装着していることがほとんど分からない
- 快適性:柔軟な材料のため、装着時の違和感が少ない
- 機能性:適切な維持力で、しっかりと固定されます
歯が抜けると、噛んだときの刺激が顎の骨に伝わらなくなり、骨は「もう必要ない」と判断して自然に吸収されていきます。これは生理的な現象で、完全に防ぐことはできません。
対策としては:
- 合わない入れ歯を我慢せず、早めに歯科医院で調整を受ける
- 定期的なメンテナンスで微調整を行う
- 必要に応じて治療用義歯を用いた補綴前処置を行い、最適な新義歯を製作する
患者様ご自身では気づかない間に徐々に変化が進行するため、定期的な検診が非常に重要です。
全身疾患があるあなたが安全な入れ歯治療を受けるためのステップ
全身疾患をお持ちの方が入れ歯治療を検討する場合、インプラント治療ほど厳格ではありませんが、やはり安全に治療を進めるための準備が大切です。
主治医との連携は入れ歯治療でも重要です
入れ歯治療は外科手術を伴いませんが、全身状態の把握やコントロールのために、内科などの医科との連携は重要です。
例えば、糖尿病をお持ちの場合:
- 血糖値がコントロールされていれば、より安全に歯科治療を受けられます
- 歯周病の治療や予防により、血糖値の改善も期待できます
- 定期的な口腔ケアにより、感染リスクを軽減できます
心臓疾患や腎疾患をお持ちの場合も、主治医との情報共有により、より安心して治療を受けられる環境を整えることができます。
専門の歯科医院で相談することの価値
「インプラント治療ができない」と言われた方でも、決して諦める必要はありません。入れ歯専門治療を掲げる歯科医院では、患者様のニーズを上回る入れ歯を提供することを目標としています。
専門医に相談するメリット:
- 高精度の入れ歯製作:日本有床義歯学会の認定医など、専門的な知識と技術を持つ歯科医師による精密な入れ歯づくりを受けられます
- 機能性の追求:単に「噛める」だけでなく、発話機能、審美性、快適性など、総合的な機能向上を目指したアプローチを受けられます
- 個別対応:あなたの全身状態、口腔内の状況、ライフスタイルに合わせたオーダーメイドの治療計画を立てられます
- アフターケア:治療後の定期的なメンテナンスや調整により、長期間快適に使用できます
治療の流れを知って安心しましょう
専門的な入れ歯治療では、以下のようなステップで進められます:
- 詳細な検査・診断:口腔内の状況、顎の動き、噛み合わせなどを精密に分析
- 治療計画の立案:あなたの希望と口腔内の状況に最適な治療方法を提案
- 精密な型取り:従来よりも正確な印象採得により、ぴったり合う入れ歯を製作
- 試適・調整:何度かの試着により、噛み合わせや適合を細かく調整
- 完成・装着:最終的な入れ歯の完成と装着指導
- 定期メンテナンス:継続的な調整とケアにより、長期間の快適性を維持
まとめ:あなたの健康状態に合わせた最適な治療法を選びましょう
失った歯を補う治療法には、インプラントや入れ歯などの選択肢がありますが、重度の全身疾患(糖尿病、心臓疾患、腎臓病など)がある場合、外科手術を伴うインプラント治療はリスクが高いため、治療が困難な場合があります。
しかし、だからといって機能回復を諦める必要は全くありません。
入れ歯治療の最大のメリットは、外科手術を伴わないため、全身疾患がある方でも安全に治療を開始できる点です。さらに、現代の専門的な入れ歯治療では、しっかり噛むことによる脳の活性化や全身の健康維持といった、QOL向上に大きく貢献するメリットが期待できます。
最も重要なのは、あなたの全身状態を考慮した上で、専門的な知識を持つ歯科医師に相談することです。
もしあなたが入れ歯治療を検討している、あるいは現在の入れ歯に不満がある場合は、ぜひ一度専門の歯科医院へご相談ください。

この記事の監修

八幡 智裕(やはた ともひろ)
当院は、平成10年10月、姫路市勝原区や網干区、太子町の患者様が多い歯科医院です。おかげさまで開院当初から、たくさんの患者様にご来院いただいています。「第一に患者様のことを考えた治療を行うこと」を何より大切にしており、患者さんとの相互理解を重要視し、患者様にご満足いただけるよう医院作りに努めています。
所属学会・研修会
日本歯科医師会 会員/兵庫県歯科医師会 会員/姫路歯科医師会 会員/国際歯周内科学研究会 会員/JPDA 有床義歯学会 会員/研修会筒井塾 咬合療法コース/山田先生エンドベーシックコース/大阪SJCDベーシックコース/大阪SJCDレギュラーコース/OSIインプラントセミナー/S.O.R.Gベーシックコース/JACID インプラント100hコース/CALLベーシックセミナー