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やはた歯科ブログ
- 入れ歯
- 2025/11/18
初めて入れ歯を作る方へ:違和感を減らし、快適に慣れるためのステップ
「新しく入れ歯を作ることになったけれど、本当にちゃんと使えるようになるのかしら…」
「口の中に異物が入る違和感や、食事の時の痛みがとても心配…」
あなたが今、このような不安を抱えていらっしゃるとしたら、それはごく自然で当たり前のことです。入れ歯は人工的なものであるため、初めて口に装着したとき、「話しにくい」「頬の内側や舌がこすれる」「食べ物が噛みにくい」といった違和感を覚えるのは当然のことなのです。
でも、ご安心ください!適切な知識と段階的な慣らし方、そしてあなたご自身に合った義歯を選ぶことで、その違和感や不安は大幅に軽減することができるのです。
この記事では、初めて入れ歯を使う方が抱える不安を解消し、違和感を減らして快適に慣れるための具体的なステップについて、詳しく解説していきます!
1. そもそも入れ歯の「違和感・異物感」は、なぜ起こるのでしょうか?
新しく入れ歯を装着された際、多くの患者様が「何かが口の中に入っている」という異物感を訴えられます。
では、なぜこのような違和感が生じてしまうのでしょうか?その理由を詳しく見ていきましょう。
① 構造上の問題:口の中はとてもデリケートな空間なのです
あなたの口の中、特に舌や頬の粘膜は非常に敏感でデリケートです。例えば、髪の毛一本(厚み約0.06mm〜0.1mm)が入っただけでも異物だと感じてしまうほどなのです。
- 床(しょう)の厚み:保険診療で主に使われるレジン(プラスチック)素材は、強度を保つためにある程度の厚み(約1.7mm〜2.4mm程度)が必要です。この厚みが、舌の動きを制限したり、口蓋(上顎の天井部分)を覆ったりすることで、異物感が強くなりやすいのです。
- 発音への影響:舌の動きが制限されると、「サ行」や「タ行」といった特定の音の発音が不明瞭になり、話しづらさを感じることがあります。
- 温度・味覚の鈍化:上顎の総入れ歯の場合、口蓋全体が覆われるため、食べ物や飲み物の温度や味覚を感じる感覚が鈍くなってしまうことがあります。
② 適合性の問題:入れ歯が口に合っていないサインです
また、義歯の形状自体が合っていないことも、違和感や痛みの大きな原因となってしまいます。
- 形の問題:入れ歯が「大きすぎる」「分厚い」「長すぎる」といった形状の問題
- 安定性の問題:噛んだときに義歯が「浮いてしまう」または「暴れて外れそうになる」といった噛み合わせの問題
- バネ(クラスプ)の問題:部分入れ歯の場合、歯に引っ掛けるバネ(クラスプ)が強く締め付けられていると、痛みや不快感を感じる原因になることがあります
重要なポイント:これらの問題に対し、歯科医師が義歯を的確に調整することで、違和感は確実に軽減していくものです。我慢せずに、遠慮なくご相談いただくことが大切です。
2. 初めての入れ歯に快適に慣れるための「5つの段階的ステップ」
初めて入れ歯を装着した際、違和感に慣れるまでには、平均で2週間〜1ヶ月ほどかかるとされています。ただし、個人差が大きく、本当にピッタリと使いこなせるようになるまでには、3ヶ月から6ヶ月程度の調整期間が必要だと考えていただいた方が良いでしょう。
ここからは、あなたが新しい入れ歯にスムーズに慣れるための段階的なステップを見ていきましょう!
ステップ1:まずは「慣らし運転」から始めましょう!
まずは、無理をせず短時間の装着からスタートしましょう。初日は30分〜1時間から始め、徐々に装着時間を延ばして、口内の筋肉に入れ歯の存在を認識させることが大切です。
特に、外出時ではなく、まずは家の中で会話したり、水を飲んだりといった「慣らし運転」を行うのがおすすめです。
ステップ2:柔らかい食事から段階的に慣らしましょう!
入れ歯を使い始めたばかりの時は、抜歯痕の痛みや、入れ歯で噛むことへの不慣れがあるため、食べ方を覚える必要があります。
最初は、下記のような柔らかく、噛み切りやすい食事から始めましょう。慣れてきたら、徐々に繊維のある野菜や歯ごたえのあるものへと広げていきましょう。
慣れるためのおすすめの食事例:
- おかゆ、豆腐、煮物、スクランブルエッグなど、柔らかく飲み込みやすいもの
- 肉よりも魚の方が食べやすいと感じる方が多いです
- パンは入れ歯にくっつきやすいため、ご飯の方がおすすめです
ステップ3:正しい「噛み方」の習慣を身につけましょう!
入れ歯は天然の歯と違い、噛む力が弱くなっています(約3割程度まで落ちる場合があります)。そのため、噛み方に工夫が必要です。
- 左右両側でゆっくり噛む:片側だけで噛むと、入れ歯が浮いたり傾いたりして外れやすくなります。必ず左右両方の奥歯で、バランスよくゆっくりと噛む習慣をつけましょう。
- 一度にたくさん口に入れない:噛む力が弱くなっているため、一度に大量の食べ物を口に入れると、噛めなかったり、入れ歯がずれる原因になったりします。一口サイズに切り分けてから食べるようにしましょう。
ステップ4:発音練習で話し方の自信を取り戻しましょう!
入れ歯を装着したことで発音が難しくなったと感じる場合は、発音トレーニングが有効です。
- 音読の習慣:新聞や本を声に出して音読する
- 会話の訓練:家族や友人と積極的に会話する
- 鏡を使った練習:鏡を見ながら話すことで、発音時に入れ歯が自然に見えるかを確認できます
「サ行」や「ハ行」の音は最も難しい音と言われていますので、これらを含む言葉を意識して練習してみましょう。
ステップ5:痛みや違和感が続く場合は我慢せずご相談を!
新しい入れ歯は、装着後に微調整が必要になることが多いです。
- 歯科医院での調整が必須:痛みが強まったり、噛む際に不快感があったり、話しづらさが1週間以上続いたりする場合は、入れ歯が合っていない可能性があります。そのまま使い続けると、歯ぐきや顎に負担がかかるため、無理に我慢せず、すぐに歯科医院で調整を受けましょう。
- 自己判断での調整はNG:「痛いから削ろう」「もっと薄くしたいから」とご自身で入れ歯を削ったり曲げたりすると、かえって構造全体のバランスが崩れ、不具合が悪化する恐れがありますので絶対にやめてください。
3. 違和感を最小限に抑える「快適な義歯」の選び方
初めて入れ歯を作る方が快適に日常生活を送るためには、治療開始前の義歯の選択が非常に重要です。特に、「違和感を最小限に抑えたい」というご要望には、保険診療の義歯だけでなく、自費診療の精密な義歯が推奨されます。
保険の入れ歯 vs 自費の入れ歯:違和感と快適さの違い
以下の表に、違和感や快適さに関わる、保険の入れ歯と自費の入れ歯の主な違いをまとめました。
| 項目 | 保険の入れ歯(レジン床) | 自費の入れ歯(金属床・BPSなど) |
|---|---|---|
| 費用 | 安い | 高い |
| 素材 | レジン(歯科用プラスチック)のみ | 金属(チタン/コバルトクロム)やシリコンなど様々 |
| 厚み・装着感 | 強度確保のため厚みが必要。違和感・異物感を覚えやすい | 薄くて丈夫(金属床は約4倍以上薄い)。違和感・異物感がほとんどない |
| 熱伝導性/味覚 | 熱伝導性が悪く、食べ物の温度が伝わりにくい | 熱伝導性が良く、料理の温度や味を感じやすい |
| お手入れ | 汚れが溜まりやすく、臭いが付きやすい | 衛生的で汚れが溜まりにくく、お手入れがしやすい |
| 製作工程 | 簡易的な仕様・工程数が少ない | 精密な型取り、オーダーメイドで工程が多い |
特に違和感を抑える自費義歯の実例をご紹介します
自費診療では、入れ歯をオーダーメイドで作製するため、患者様一人ひとりの口腔内の状態に合わせて「違和感の軽減」に特化した材料や技術を選択することができます。
- 金属床義歯(きんぞくしょうぎし)
- 特徴:粘膜に触れる床の部分にチタンやコバルトクロムなどの金属を使用します。金属はプラスチックに比べて強度が高いため、入れ歯を非常に薄く製作でき、異物感が大幅に軽減されます。また、熱伝導率が良いため、より自然な温度感覚で食事が楽しめます。
- BPSデンチャー(超精密総義歯)
- 特徴:ヨーロッパの専門医とイボクラ社が共同開発した、世界で認められている超精密な総義歯製作システムです。顎や筋肉の動き、噛み合わせを詳細にチェックしたうえで作製されるため、一般的な入れ歯に比べ、装着時の違和感が圧倒的に少ないとされています。
- リプロシリコン裏装義歯(やわらかい入れ歯)
- 特徴:特殊なシリコンを歯ぐきに当たる部分に使用し、クッションの役割を果たします。これにより、痛みが少なく、しっかり噛むことができるため、装着感の違和感を和らげたい方に推奨されます。
最も注目すべきは、自費診療は「材料の違い」だけでなく、「オーダーメイドの技術」に費用をかけているということです。この丁寧で緻密な作業こそが、違和感のない「本物の入れ歯」を作るための鍵となります。
4. 快適な入れ歯生活を長く続けるために!正しいお手入れの重要性
違和感を減らし、せっかく快適な入れ歯を手に入れても、毎日の手入れを怠ると、すぐに不快感や痛みの原因となってしまいます。
なぜ、入れ歯を毎日お手入れする必要があるのでしょうか?
どのような仕組みで入れ歯が汚れてしまうのか気になりませんか?
入れ歯は、自分の歯と同じように食べかすやプラーク(歯垢)が付着します。この汚れを放置すると、雑菌やカンジダ(カビの一種)が繁殖し、口臭や、歯ぐきに炎症(義歯性口内炎)を引き起こす原因となります。特に、要介護高齢者の入れ歯からは、誤嚥性肺炎などの呼吸器感染症の原因となる細菌が見つかることも報告されています。
口腔内の健康、ひいては全身の健康を守るためにも、毎日の正しいお手入れが大変重要です。
正しい入れ歯のお手入れ方法
まずは、基本的な3つのポイントを把握しましょう。
- 毎食後、流水で優しくブラッシングする
- 食事をする度に、入れ歯を外し、入れ歯専用のブラシや柔らかい歯ブラシで食べかすを洗い流しましょう。
- 特に重要なのは、研磨剤入りの歯磨き粉は絶対に使用しないという点です。研磨剤が入った歯磨き粉で磨くと、入れ歯の表面に傷がつき、そこから劣化が早まったり、汚れが溜まりやすくなったりします。
- 洗浄の際は、落下による破損を防ぐためにも、洗面器などに水またはぬるま湯を張った上で行うことをおすすめします。
- 就寝前は必ず外し、洗浄剤に浸ける
- 基本的に、寝るときは入れ歯を外すことが推奨されています。これは、歯ぐきに休息を与え、血行不良を防ぐためです。
- 外した入れ歯は、物理的なブラッシングだけでは落としきれない汚れや菌を除去するために、入れ歯洗浄剤を溶かした水またはぬるま湯に浸けて保管しましょう。
- 熱湯(煮沸)消毒は、入れ歯のプラスチックや樹脂を変形・劣化させるリスクがあるため、絶対に避けてください。
- 定期的な歯科医院での調整を受ける
- 入れ歯は消耗品であり、使用しているうちに顎の骨が痩せて歯ぐきの形が変わり、合わなくなってきます。
- 長く快適に使い続けるためには、1か月に1度程度の頻度を目安に、歯科医院で定期的な調整(メンテナンス)を受けることが欠かせません。
5. まとめ:不安を解消し、快適な一歩を踏み出しましょう!
初めての入れ歯は、異物感や痛み、話しにくさなど、多くの不安を伴うものです。しかし、入れ歯は作ったその日から完璧に使えるものではなく、「慣れるための工夫」と「適切な調整」によって、徐々に快適になっていくということを理解していただけたかと思います。
特に、従来の保険の入れ歯では違和感が強かったという方でも、金属床義歯やBPSデンチャーといった精密な自費診療の義歯を選ぶことで、違和感を極限まで抑えることが可能です。
もしあなたが、
- 「今の入れ歯が合わない」「違和感が気になる」
- 「どの種類の入れ歯が自分に適しているか知りたい」
といった疑問をお持ちであれば、ぜひ一度、歯科医院にご相談ください。
豊富な治療実績と、義歯専門の技工所との連携により、あなたに最適な解決策をご提案いたします。
ここから、あなたの新しい快適な入れ歯生活をスタートさせましょう!

この記事の監修

八幡 智裕(やはた ともひろ)
当院は、平成10年10月、姫路市勝原区や網干区、太子町の患者様が多い歯科医院です。おかげさまで開院当初から、たくさんの患者様にご来院いただいています。「第一に患者様のことを考えた治療を行うこと」を何より大切にしており、患者さんとの相互理解を重要視し、患者様にご満足いただけるよう医院作りに努めています。
所属学会・研修会
日本歯科医師会 会員/兵庫県歯科医師会 会員/姫路歯科医師会 会員/国際歯周内科学研究会 会員/JPDA 有床義歯学会 会員/研修会筒井塾 咬合療法コース/山田先生エンドベーシックコース/大阪SJCDベーシックコース/大阪SJCDレギュラーコース/OSIインプラントセミナー/S.O.R.Gベーシックコース/JACID インプラント100hコース/CALLベーシックセミナー