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やはた歯科ブログ
- 歯科医院
- 2025/10/15
朝起きると口がネバネバする原因と対策|歯周病の警告サイン
「朝起きると、口の中がなんだかネバネバする…」
あなたもこのような不快な経験はありませんか?歯磨きをしっかりしているはずなのに、朝だけ口の中が気持ち悪いと感じると、「これって体調が悪いのかな?」「誰にも相談できないな」と不安になりますよね。
実は、この「お口のネバネバ」は、単なる寝起きの不快感で終わらせてはいけない、歯周病が進行している可能性を示す重要なサインかもしれません。
この記事では、朝起きたときにお口がネバネバする根本的な原因について、科学的な視点から詳しく解説していきます!また、ネバネバを歯周病の警告サインとして捉えるためのセルフチェック方法と、あなたが今すぐ取るべき対策、そして歯科医院を受診する目安を段階的にお伝えします。
そもそも朝起きると口がネバネバするのはなぜ!?
では、なぜ寝起きは特にお口の中がネバネバするのでしょうか?どのような仕組みでネバネバしているのか気になりませんか?
結論から言うと、ネバネバの主な原因は、「唾液の分泌量の減少」と、それに伴う「口内細菌の異常な増殖」という点です。
夜間に口内環境が悪化する仕組み
口腔内には、殺菌・浄化の役割を果たす唾液が常に分泌されています。健康な成人であれば、1日に1〜1.5リットルもの唾液が分泌されると言われています。この唾液には、自浄作用や抗菌作用があり、お口の中を清潔に保つために不可欠な存在なのです。
しかし、特に夜間、寝ている間は唾液の分泌が大きく減少します。唾液による自浄作用が弱まる結果、口の中で雑菌が大量に繁殖し、これがネバネバの元となるのです。
特に夜間は、歯周病の原因菌も増殖しやすい環境になるため、朝起きるとお口の中がネバネバする、という現象が起こります。
ネバネバの正体は「プラーク(歯垢)」の塊!?
お口の中で増殖した細菌は、糊のようにベタベタ・ヌルヌルしたプラーク(歯垢)と呼ばれる塊を形成します。
このプラークがネバネバの代表的な原因の一つです。プラークは、歯と歯茎の境目(歯周ポケット)に付着し、細菌が住みやすい環境を整えているのです。
プラークは、放っておくと歯周病やむし歯のリスクを増大させてしまいます。
特に重要なのは「歯周病」!ネバネバは全身の健康に関わる警告サイン
朝のネバネバの原因として最も注意すべきは、歯周病が進行している可能性です。お口のネバネバは、歯周病の初期段階から現れるサインの一つです。
歯周病の原因菌がネバネバ物質を作り出す!
歯周病は、細菌感染によって引き起こされる病気です。
歯周病の原因菌(歯周病菌)は、歯と歯茎の境目に付着し、ネバネバした物質を作り出して、菌自身が住みやすい環境を整えています。これがプラーク(歯垢)の形成につながります。
さらに、歯周病が進行すると、歯と歯茎の境目から「歯肉溝浸出液」と呼ばれる液体が染み出してきます。この液体は、病状が進行することで粘性が高くなり、結果としてお口の中のネバネバ感がさらに強くなってしまうのです。
歯周病を疑うべきネバネバ以外の症状とは?
ネバネバの症状に加えて、あなたがもし以下の症状を感じているなら、歯周病がかなり進行している可能性があります。
| 症状 | 歯周病との関係性 |
|---|---|
| 歯茎が腫れる・赤くなる | 炎症が起きている初期のサインです。 |
| 歯磨き時や噛んだときに出血する | 歯肉炎や軽度歯周炎の代表的な症状です。 |
| 慢性的な口臭がある | 歯周病菌が発する悪臭ガス(腐った卵のような、金属的なにおい)や膿が原因です。 |
| 歯がグラグラする | 歯を支える顎の骨(歯槽骨)が溶かされ始めている、中度〜重度のサインです。 |
| 歯茎が下がって歯が長く見える | 骨の吸収が進んでいる中度〜重度のサインです。 |
最も注目すべきは、このネバネバ(歯周病のサイン)を見逃さないことです。歯周病は治療を行わなければ、どんどんと進行し、最終的には大切な歯を失うことにつながってしまいます。
歯周病は「全身の病気」にも関係している!?
歯周病の恐ろしさは、歯を失うことだけではありません。歯周病は、お口の中の「慢性炎症」であり、その影響は口腔内にとどまらず、全身の健康にまで悪影響を及ぼすことが、近年の研究で明らかになっています。
歯周病菌やその毒素は、歯周病病巣から血流に乗り、全身を巡る菌血症を引き起こします。これにより、様々な疾患のリスクを高めてしまうのです。
例えば、歯周病がある人は、ない人に比べて以下の疾患のリスクが高まるというデータが報告されています。
- 糖尿病:約1.98倍のリスク増加。歯周病と糖尿病は相互に悪影響を及ぼす「双方向的な関連」があります。
- 狭心症・心筋梗塞:約2.11倍のリスク増加。歯周病菌が血管に入り込み、動脈硬化を促進することが原因とされます。
- 脳梗塞:約1.63倍のリスク増加。
- 誤嚥性肺炎:プラークに潜む歯周病菌が唾液とともに気管に入り込むことで引き起こされるリスクがあります。
- 早産・低体重児出産:妊婦さんが歯周病に罹患すると、早産のリスクが2.27倍、低体重児出産のリスクが2.83倍になるというデータがあります。
ネバネバは、歯周病が始まり、あなたが全身の健康リスクを抱えている可能性を示唆する重大なサインなのです。
あなたのお口は大丈夫?今すぐできる歯周病セルフチェックリスト
ここからは、あなたがご自身の口腔内の状態を把握し、歯周病のリスクを知るためのセルフチェックを行いましょう。
以下のチェックリストで、該当する項目がいくつあるか数えてみてください。
セルフチェックリスト
- □朝起きると口の中がネバつく
- □歯茎が赤く腫れている、またはブヨブヨした感じがする
- □歯磨きの際や、硬いものを噛んだときに出血がある
- □歯と歯の間に食べ物が詰まりやすい
- □口臭が気になる(人に指摘されたことがある)
- □歯が長くなったように見える(歯茎が下がってきた)
- □歯がグラグラする、または噛んだときに違和感がある
- □口の渇きが気になる(飲み物なしで食べ物を飲み込みにくい)
- □無意識に口が半開きになる、いびきをかく
- □喫煙している、または深酒をする習慣がある
- □糖尿病などの慢性疾患がある
チェック結果の判定と受診目安
該当項目が1~2個の方:
歯肉炎など初期の症状、または歯周病リスクが高まっている段階かもしれません。正しいセルフケアと生活習慣の見直しを行い、年1回以上の定期検診で専門的なチェックを受けることをお勧めします。
該当項目が3個以上の方:
歯周病がすでに進行している可能性が高いです。特に「歯がグラグラする」「歯茎から膿が出る」「強い口臭がある」といった重度の症状が見られる場合、手遅れになる前に、できるだけ早く歯科医院を受診し、歯周病の専門家に診断してもらいましょう。
「痛みがないから大丈夫」は危険!
歯周病は初期段階では痛みなどの自覚症状が乏しい「サイレントキラー(静かなる病気)」と呼ばれています。症状に気づいたときには、すでに進行しているケースが少なくありません。早期の行動が、あなたの歯を残す鍵となります。
ネバネバを解消し、歯周病を防ぐために今日からできる対策
朝のネバネバや歯周病のサインに気づいたあなたが、健康な口腔環境を取り戻すために「今」からできる対策を段階的に解説していきます。
1. まずは徹底的なセルフケアと習慣の見直し
ネバネバの元凶であるプラーク(歯垢)を除去するために、毎日のセルフケアは不可欠です。
正しいブラッシングと補助清掃具の活用
- 丁寧なブラッシングを習慣化しましょう: 歯周病の原因は、歯にこびりついたプラーク(細菌)による感染症です。夜寝る前は特に唾液量が減り細菌が増えるため、寝る前の歯磨きを習慣づけましょう。
- 補助清掃具を必ず併用しましょう: 歯ブラシだけでは汚れが4割程度残るともいわれています。デンタルフロスや歯間ブラシを使うことで、歯と歯の間に溜まったプラークを効果的に除去し、口臭予防にもつながります。
歯ブラシ・フロス・歯間ブラシを活用した日々のケアが、歯周病予防の基本です。
口呼吸から鼻呼吸への改善を意識しましょう
口呼吸は、口腔内を乾燥させ、細菌が増殖しやすい環境を作るため、歯周病リスクを高めます。
例えば、口呼吸を鼻呼吸へと改善させるためのトレーニングとして、「あいうべ体操」が考案されています。これは「あー」「いー」「うー」「ベー」の4つの動作を繰り返す簡単な体操です。
2. 次に、全身の健康につながる生活習慣の見直し
歯周病は生活習慣病の側面が強いため、治療効果を高め、再発を防ぐためにも、生活習慣を見直すことが重要です。
- 禁煙を検討しましょう: 喫煙は歯周病リスクを大幅に高めるだけでなく、歯茎の出血を隠してしまうため症状に気づきにくくなります。歯周病にかかりたくないと思うなら、禁煙は必須という点です。
- ストレス管理と睡眠の質の向上: ストレスや疲労は体の免疫力を低下させ、歯周病を悪化させる要因になります。十分な睡眠と適度な運動を心がけ、免疫力を高めていきましょう。
- 食生活の改善: 間食(甘い食べ物や飲み物)を日常的に行うと、口内のpHが酸性に傾き歯が溶けやすい状態が続くため、むし歯・歯周病リスクが高まります。
3. 最後に、プロフェッショナルケアを習慣化しましょう
セルフケアだけでは、歯周病の原因となる歯石や、歯ブラシが届かない場所に溜まったプラーク(バイオフィルム)を完全に除去することはできません。
あなたの歯を守るために最も確実なのは、専門家による定期的なケアを受けることです。
定期検診の重要性
- 受診目安は3〜6ヶ月に一度: 歯周病が改善した後も、3〜6ヶ月に一度は歯科医院で定期的なメインテナンスを受け、口腔内の状態を維持することが強く推奨されています。これは、歯周病菌がこの期間で再び増殖しやすくなるという科学的な根拠に基づいています。
- 歯石除去とクリーニング: 歯科医院では、専用の器具を使ってブラッシングでは落とせない歯石や、歯周ポケットの奥深くにあるプラークを徹底的に除去できます(スケーリング、ルートプレーニング)。
- 早期発見・早期治療: 定期的にプロの目でチェックを受けることで、自覚症状のない初期の歯周病や、生活習慣によるわずかな変化にも気づくことができ、進行を食い止めることが可能です。
まとめ:あなたの歯を守るために、今すぐ歯科医院へ行きましょう
朝起きたときのお口のネバネバは、夜間に唾液が減り細菌が増殖した結果ですが、その背景には歯周病が進行している可能性が潜んでいます。
お口のネバネバは、歯周病という病気のサインであり、このサインを見逃さず早く行動を起こすことで、あなたは大切な歯を失わずに済むかもしれません。
あなたがもし、ネバネバに加えて歯茎の出血や腫れ、慢性的な口臭といった具体的な症状を感じているなら、それは歯周病の警告サインです。また、歯周病は全身の健康にも大きく影響を及ぼすため、早期に適切な処置を受けることが、将来の健康寿命を延ばすことにもつながります。
まずは、この記事で紹介したセルフチェックを行い、ご自身の口腔内の状態を確認しましょう。そして、症状に不安を感じる場合は、ぜひ一度、歯科医院へ足を運んでみてください。専門家による診断とクリーニング、そして正しいセルフケア指導を受けることが、あなたの歯と全身の健康を守るための最も確実な一歩となります。

この記事の監修

八幡 智裕(やはた ともひろ)
当院は、平成10年10月、姫路市勝原区や網干区、太子町の患者様が多い歯科医院です。おかげさまで開院当初から、たくさんの患者様にご来院いただいています。「第一に患者様のことを考えた治療を行うこと」を何より大切にしており、患者さんとの相互理解を重要視し、患者様にご満足いただけるよう医院作りに努めています。
所属学会・研修会
日本歯科医師会 会員/兵庫県歯科医師会 会員/姫路歯科医師会 会員/国際歯周内科学研究会 会員/JPDA 有床義歯学会 会員/研修会筒井塾 咬合療法コース/山田先生エンドベーシックコース/大阪SJCDベーシックコース/大阪SJCDレギュラーコース/OSIインプラントセミナー/S.O.R.Gベーシックコース/JACID インプラント100hコース/CALLベーシックセミナー