歯がボロボロだけど入れ歯はできる?|治療選択肢徹底比較

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入れ歯
2025/10/25

歯がボロボロだけど入れ歯はできる?|治療選択肢徹底比較

「人前で笑うのが恥ずかしい…」「もう私の歯は手遅れなんじゃないか…」

もしあなたが今、歯がボロボロの状態でお悩みで、このような不安を抱えていらっしゃるなら、一人で悩まないでください。現代の歯科医療には、あなたの状況に応じた様々な解決策が必ずあります。

特に、歯を失ってしまった場合、どのように補えば良いのか、「入れ歯」「ブリッジ」「インプラント」の3つの選択肢で迷う方は非常に多いです。費用や期間、見た目、そして何より噛み心地が大きく異なるため、慎重な選択が求められます。

この記事では、歯を失った場合の主要な3つの治療法のメリット・デメリットを徹底比較し、それぞれの費用と治療期間の目安、そしてあなたが何を重視すべきかに基づいた最適な治療法の選び方について、段階的で論理的な説明を交えながら詳しく解説していきます!

ぜひ最後までご一読いただき、ご自身の素敵な笑顔と健康を取り戻すための一歩を踏み出すきっかけにしていただければ幸いです。

そもそも「歯がボロボロ」とはどのような状態か!?

「歯がボロボロなのは、私が悪かったからだ」とご自身を責めてしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、必ずしもそうとは限りません。

最も注目すべきは、虫歯と歯周病の複合的な進行です。初期には痛みを感じずに放置されがちな虫歯が進行し、さらに歯を支える骨を破壊する歯周病が重なることで、歯は深刻な状態になってしまいます。

しかし、歯がどれだけボロボロでも諦める必要はありません。治療の基本方針は、保存可能な歯は最大限残すことですが、残念ながら抜歯が必要になった場合でも、失った歯を補うための優れた治療法が複数存在します。

では、次にその主要な治療法について詳しく見ていきましょう。

歯を失った場合の主要な3つの治療法とは!?

歯を失った際の治療法は、主にインプラント、入れ歯、ブリッジの3つです。

1. インプラントとは何か!?

どのような仕組みで「自分の歯のような感覚」で噛めるのか気になりませんか?

インプラントは、チタン製の人工歯根を顎の骨に埋め込み、その上に人工歯(上部構造)を装着する治療法です。人工歯根が顎の骨と直接結合する(オッセオインテグレーション)ため、非常に安定します。

2. 入れ歯(義歯)とは何か!?

入れ歯は、歯がない部分に人工歯を装着する取り外し可能な義歯です。残っている歯の数に応じて、一部の歯を補う部分入れ歯と、全ての歯を補う総入れ歯に分かれます。保険適用で作製できるため、費用を抑えたい方に適しています。

3. ブリッジとは何か!?

ブリッジは、失った歯の両隣の歯を削り、それを支え(土台)として一体型の人工歯を固定する治療方法です。入れ歯のように取り外す必要がなく、固定されているため安定感があります。

【徹底比較】インプラント・入れ歯・ブリッジのメリット・デメリット

ここからは、それぞれの治療法を機能性、費用、期間、他の歯への影響という観点から比較し、読者の方が重視すべきポイントを明確にしていきます。

治療法の特徴比較表

比較項目 インプラント ブリッジ 入れ歯
噛む力 ◎(天然歯とほぼ同等) ○(天然歯に近い) △(咀嚼能力が低下)
審美性 ◎(天然歯とほぼ同じ) △(金属部分が目立つ場合あり) ×〜◎(バネが目立つ、自費は自然)
他の歯への影響 ◎(なし) ✕(健康な歯を削る) ✕(バネをかける歯に負担)
手術の有無 外科手術が必要 不要 不要
治療期間 △(3ヶ月〜1年と長い) ○(短期間/1〜2ヶ月) ○(短期間/1〜2ヶ月)
費用(1本あたり) ✕(自費診療で高額) ○(保険適用あり) ◎(保険適用あり)
耐用年数(目安) ◎(10〜20年以上) △(7〜8年程度) △(5〜8年程度)

3つの治療法の詳細な解説と注意点

1. インプラントのメリット・デメリット

インプラント治療を検討している方が最も重視するのは、天然歯とほぼ変わらない見た目と機能でしょう。

<メリット>

  • 天然歯に近い噛み心地:骨に直接固定されるため、硬いものでもしっかり噛めます。
  • 他の歯に負担をかけない:ブリッジのように隣の健康な歯を削る必要がありません。
  • 長期の安定性:適切なメンテナンスをすれば10〜20年以上長持ちする耐久性があります。

<デメリット>

  • 外科手術が必要:顎の骨に埋め込むため、身体への負担が伴います。
  • 治療期間が長い:骨との結合を待つ必要があるため、3ヶ月から1年程度かかります。
  • 費用が高額:原則として自由診療のため、1本あたり約30万〜60万円が相場です。

特に重要なのは、前歯は見た目を重視した審美性の高いセラミック素材が使われたり、細かい調整料が含まれるため、1本あたり約30万〜60万円と費用が高くなる傾向にあるという点です。

2. ブリッジのメリット・デメリット

保険適用内で機能性を重視するなら、ブリッジが候補となるでしょう。

<メリット>

  • 安定した装着感:固定式なので違和感が少なく、入れ歯よりも噛み心地が良いです。
  • 費用が抑えられる:保険適用が可能で、比較的安価に治療ができます。
  • 治療期間が短い:型取りから完成まで比較的短期間(1〜2ヶ月程度)で済みます。

<デメリット>

  • 健康な歯を削る必要がある:これが最大のデメリットです。削られた支台歯(土台となる歯)に負担がかかり、長期的に見ると歯の寿命を縮めてしまう可能性があります。
  • 清掃が難しい:連結されているため、歯と歯肉の間に食べかすが詰まりやすく、虫歯や歯周病のリスクが高まります。

3. 入れ歯のメリット・デメリット

外科手術を避けたい方や費用を抑えたい方にとって、入れ歯は非常に適応しやすい治療法です。

<メリット>

  • 手術不要・低侵襲:外科的な処置が不要なため、全身疾患がある方や高齢の方など、ほとんどの方に適用可能です。
  • 費用を抑えられる:保険適用の入れ歯であれば、費用は1万〜2万円程度で作製できます。
  • 修理・調整が容易:不具合が生じた場合でも、比較的簡単に修理や調整ができます。

<デメリット>

  • 噛む力の制限:天然歯に比べて噛む力が弱く(20〜30%程度)、硬いものが食べにくい場合があります。
  • 異物感:装着時に違和感があり、慣れるまでに時間がかかることがあります。
  • 顎の骨が痩せるリスク:噛む力が歯茎に伝わるため、歯が抜けた部分の顎の骨が徐々に吸収して痩せてしまうことがあります。

従来の入れ歯の課題を克服する「進化した入れ歯」

従来の入れ歯に抵抗がある方のために、自費診療では機能性や審美性を向上させた新しい入れ歯が登場しています。

  • ノンクラスプデンチャー:従来のような金属のバネ(クラスプ)を使わず、歯茎の色に近い樹脂で固定するため、見た目が自然で目立ちにくいという点が挙げられます。
  • 金属床義歯:土台部分(床)を金属で作るため、プラスチック製に比べて薄く、丈夫に仕上げられます。装着時の違和感が少なく、食べ物の温度も伝わりやすいのが特長です。
  • インプラントオーバーデンチャー:少数のインプラント(2〜4本)を土台にして入れ歯を固定することで、入れ歯の安定性と噛みやすさを大幅に向上させる画期的な方法です。

治療選択のポイント!あなたに最適な方法を見極める3つの視点

「結局、私にはどれが一番良いのだろう?」という疑問を解消するため、患者さまご自身の希望や状態に合わせて、最適な治療法を見つけるポイントを解説します。

1. 機能性・審美性を重視する場合

あなたが、天然歯に近い見た目と噛む機能を取り戻したい場合、インプラントが最適な選択肢です。

具体的には:接客業や営業職で口元を気にせず笑いたい方、フランスパンやステーキなど硬い食事を楽しみたい方に向いています。

実例:事故で前歯を2本失った30代男性の症例では、審美性と機能性の両立を目指しインプラント治療を実施し、見た目の自然さにこだわった調整が行われています。

2. 費用や身体への負担を重視する場合

外科手術を避けたい、または費用を抑えたい場合、入れ歯またはブリッジが適しています。

  • ブリッジ:健康な歯を削ることに抵抗がなく、インプラントほどの高額な費用をかけずに固定式の安定感を求める方。
  • 入れ歯:外科手術ができない方、健康な歯を削らずに治療したい方、保険適用内で費用を抑えたい方。

3. 顎の骨の状態や持病がある場合の注意点

インプラント治療は、顎の骨の状態や全身の健康状態によって、適応が難しくなるケースがあります。

  • 骨が少ない場合:歯を失って時間が経つと骨が痩せてしまい、インプラントに必要な骨量が足りないことがあります。この場合、「骨造成」や「サイナスリフト」などの追加処置(+5万〜15万円程度が目安)が必要になることもあります。
  • 極端に骨が不足している場合:インプラントが「無理」と他院で言われた方でも、「オールオン4」(4本のインプラントで全ての歯を支える)や、さらに難易度の高い「ザイゴマインプラント」(頬骨を利用する)といった特殊な技術で対応可能な場合があります。
  • 持病がある場合:糖尿病や高血圧などの持病がある場合、手術のリスクが増大するため、担当医と主治医が連携し、全身状態を十分に管理する必要があります。

費用の不安を解消!医療費控除と分割払いを活用しましょう

インプラントや自費の入れ歯は高額になりがちですが、費用負担を軽減する制度があります。

医療費控除で実質負担が軽くなる!

インプラント治療や自費診療の入れ歯の費用は、一定の条件を満たせば医療費控除の対象となります。

どのような費用が対象になるのか!?

  • インプラント本体や人工歯の製作費
  • 治療前の精密検査・診断料
  • 埋入手術や必要な追加処置(骨造成など)の費用
  • 通院にかかる公共交通機関の交通費

控除を受けるための条件とは!?

  • 1年間の医療費(家族の分も合算可能)が10万円以上であること(または所得が200万円未満の場合は所得の5%以上)。
  • 控除の上限額は200万円までです。
  • 確定申告での申請が必須となります。

例えば、年間の医療費総額が100万円で、所得税率が23%(年収700万円の場合)であれば、約20万円以上の還付金が目安となります。この制度を上手に活用することが、治療費を抑えるためのカギとなります。

デンタルローンや分割払いの利用

インプラントは保険がきかないケースが多く、まとまった費用がネックになることもあります。

デンタルローンは、歯科治療専用のローンであり、クレジットカードの分割払いよりも低金利で長期分割が可能なのが特徴です。治療を先延ばしにするよりも、早期に治療を開始できるメリットがあります。

まとめ:あなたの笑顔を取り戻すために

歯を失った際の治療法には、インプラント・入れ歯・ブリッジの3つの選択肢があり、それぞれに機能性、審美性、費用、治療期間が異なります。

  • 天然歯に近い感覚で噛みたい、長持ちさせたい → インプラント
  • 費用を抑えたい、手術を避けたい → 入れ歯 (自費の進化型入れ歯も選択肢に)
  • 保険適用内で固定式の安定感を求める → ブリッジ (ただし健康な歯を削る)

どの治療法があなたにとって最適かは、あなた自身のライフスタイル、ご希望、そしてお口の状態によって変わります。治療法の選択はご自身だけで決めるものではなく、専門的な診断とカウンセリングが不可欠です。

最も重要なのは、放置せずに一日でも早く治療を開始することです。放置すればするほど、歯の移動や噛み合わせの変化により、治療の難易度や費用が高額になってしまいます。

歯科医師は患者さまを責めることは決してありません。まずは勇気を出して、専門医に相談し、ご自身の不安な気持ちを解消することから始めましょう。

この記事の監修

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八幡 智裕(やはた ともひろ)

当院は、平成10年10月、姫路市勝原区や網干区、太子町の患者様が多い歯科医院です。おかげさまで開院当初から、たくさんの患者様にご来院いただいています。「第一に患者様のことを考えた治療を行うこと」を何より大切にしており、患者さんとの相互理解を重要視し、患者様にご満足いただけるよう医院作りに努めています。

所属学会・研修会

日本歯科医師会 会員/兵庫県歯科医師会 会員/姫路歯科医師会 会員/国際歯周内科学研究会 会員/JPDA 有床義歯学会 会員/研修会筒井塾 咬合療法コース/山田先生エンドベーシックコース/大阪SJCDベーシックコース/大阪SJCDレギュラーコース/OSIインプラントセミナー/S.O.R.Gベーシックコース/JACID インプラント100hコース/CALLベーシックセミナー

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