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やはた歯科ブログ
- 歯科医院
- 2025/10/15
歯磨きで出血する原因と放置リスク|重症度別対処法
毎日の歯磨きで洗面台に血が混じった唾液を見て、「またか…」と思いながらも、痛みがないからとつい見過ごしていませんか?「少し強く磨きすぎただけ」「疲れているから仕方ない」と考えがちですが、実は歯ぐきからの出血は、お口の中で静かに進行している深刻な病気のサインかもしれません。この記事では、歯磨きで出血する本当の原因と、放置することで起こりうる恐ろしいリスク、そして重症度に応じた適切な対処法について詳しく解説していきます!あなたの歯ぐきの状態を正しく理解し、健康な口腔環境を取り戻すための具体的な方法を一緒に学んでいきましょう。
そもそも歯磨きで出血する最も多い原因とは何でしょうか?
歯ぐきからの出血を軽く考えている方も多いかもしれませんが、実は90%以上のケースで歯周病が関係していると考えられています。では、なぜ歯周病になると出血するのでしょうか?
歯周病による炎症が出血の主要原因です!
歯周病とは、歯周病菌という細菌が引き起こす感染症です。健康な歯ぐきは薄いピンク色で引き締まっており、歯磨きなどの刺激で出血することはありません。
しかし、プラーク(歯垢)が蓄積すると歯周病菌が繁殖し、歯ぐきに炎症が起こります。炎症が生じると、体は細菌と戦うために歯ぐきの血管を拡張させ、免疫細胞を集めます。この「細菌との戦いの証」が、まさに出血として現れるのです。
重要なポイント:歯周病は「サイレントキラー」と呼ばれるほど、自覚症状が少ないまま進行します。出血は、あなたの体が発する貴重な警告サインなのです。
歯周病以外で出血を引き起こす5つの原因
出血の原因は歯周病だけではありません。他にも以下のような原因が考えられます:
- 強すぎるブラッシング:力を込めてゴシゴシ磨くと、歯ぐきを傷つけて出血することがあります。特に硬い歯ブラシや古い歯ブラシを使用している場合は要注意です。
- ホルモンバランスの変化:妊娠期や生理前は女性ホルモンの影響で歯ぐきが敏感になり、「妊娠性歯肉炎」などを発症しやすくなります。
- 全身疾患や薬の副作用:糖尿病患者は免疫機能が低下しているため歯周病が悪化しやすく、抗凝固薬(血液をサラサラにする薬)を服用している方は出血しやすい状態になります。
- 智歯周囲炎:親知らずの周囲に炎症が起きている状態で、汚れが溜まりやすい環境により出血が生じます。
- 歯ぎしり・食いしばり:就寝中の過剰な咬合力が歯周組織にダメージを与え、炎症と出血を引き起こすことがあります。
【重症度チェック】出血を放置するとどんなリスクが待っているの?
「たかが出血」と軽視していると、取り返しのつかない事態に発展する可能性があります。まずは、あなたの歯ぐきがどの段階にあるのか確認してみましょう。
歯周病の進行段階と症状の変化
| 進行段階 | 歯周ポケットの深さ | 主な症状 | 治療の可逆性 |
|---|---|---|---|
| 第1段階:歯肉炎 | 2-3mm | 歯磨き時の出血、歯ぐきの赤み・腫れ | 完全回復可能 |
| 第2段階:軽度歯周炎 | 3-4mm | 出血の頻度増加、口臭、食べ物が詰まりやすい | 改善可能 |
| 第3段階:中等度歯周炎 | 4-6mm | 歯ぐきが下がる、歯が長く見える、軽度のグラつき | 進行停止は可能 |
| 第4段階:重度歯周炎 | 6mm以上 | 歯の大きなグラつき、膿、強い口臭、最終的に歯の喪失 | 抜歯のリスク高 |
放置することで生じる3つの深刻なリスク
1. 歯を失うリスク – 日本人の歯の喪失原因第1位
歯肉炎(第1段階)であれば、適切なケアで完全に元の健康な状態に戻すことができます。しかし、歯周炎に進行すると歯を支える骨(歯槽骨)が溶かされ始め、一度失われた骨は自然には回復しません。
厚生労働省の調査によると、日本人が歯を失う原因の第1位は歯周病で、全体の約37%を占めています。重度まで進行すると、指で軽く押しただけで歯が抜け落ちることさえあるのです。
2. 深刻な口臭の発生
歯周病が進行すると、歯周ポケット内で嫌気性菌が大量繁殖し、「揮発性硫黄化合物」という強烈な臭いガスを産生します。
- メチルメルカプタン:生ゴミのような臭い
- 硫化水素:卵が腐ったような臭い
この口臭は歯磨きやマウスウォッシュでは一時的にしかごまかせず、根本的な原因菌の除去が必要です。
3. 全身の健康への悪影響
現代医学では、歯周病が口腔内だけでなく全身の健康に深刻な影響を与えることが明らかになっています(ペリオドンタルメディシン):
- 心血管疾患:歯周病菌や炎症物質が血流に乗って全身に運ばれ、心筋梗塞や狭心症のリスクを高める可能性があります
- 糖尿病:歯周病が血糖コントロールを悪化させ、糖尿病患者では歯周病も悪化しやすいという相互関係があります
- 妊娠への影響:妊娠中の歯周病は早産や低体重児出産のリスクを高める可能性があると報告されています
重症度別!歯ぐきの出血に対する効果的な対処法
出血の改善には、重症度に応じた段階的なアプローチが重要です。まずはセルフケアから始めて、必要に応じて専門治療を受けましょう。
【軽度〜中等度】セルフケアで改善を目指しましょう
1. 正しいブラッシング法の習得
「出血するから優しく磨く」は間違いです!出血の原因であるプラークをしっかり除去するために、正しい方法で確実に磨くことが大切です。
| ポイント | 具体的な方法 | 注意事項 |
|---|---|---|
| 持ち方 | 鉛筆を持つように軽く握る(ペングリップ) | 力の入れすぎを防ぐ |
| 角度 | 歯と歯ぐきの境目に45度の角度で当てる | 最もプラークが溜まりやすい場所を狙う |
| 動かし方 | 5mm程度の幅で小刻みに振動させる | 大きく動かさず、1-2本ずつ丁寧に |
| 力加減 | 150-200g程度(毛先が広がらない程度) | 強すぎると歯ぐきを傷つける |
2. 適切な歯ブラシと補助用具の選択
あなたが使っている歯ブラシは、本当にお口の状態に合っているでしょうか?
- 毛の硬さ:出血がある時は「やわらかめ」を選択。炎症のある歯ぐきを優しくケアできます
- ヘッドサイズ:上の前歯2本分程度の「小さめ」が奥歯まで届きやすくおすすめ
- 毛先の形状:テーパード(先細り)や超極細毛なら歯周ポケットに入り込みやすい
重要:歯ブラシだけでは歯の表面積の約60%しか清掃できません。残りの40%(歯間部)の汚れを除去するために、デンタルフロスや歯間ブラシの併用が必須です。1日1回、特に夜の歯磨き時に使用しましょう。
【中等度〜重度】専門的な治療が必要です
以下の症状がある場合は、セルフケアだけでは限界があります。速やかに歯科医院を受診しましょう:
- 歯周ポケットが4mm以上ある
- 出血が2週間以上続いている
- 膿や痛みがある
- 歯のグラつきがある
【Q&A】歯磨き出血に関するよくある疑問にお答えします!
A. 一時的な正常反応なので心配ありません。
歯石は細菌の塊で炎症の原因です。除去直後は隠れていた炎症が表面化したり、血行が良くなることで一時的に出血が増えることがあります。これは治癒に向かう正常なプロセスです。正しいブラッシングを継続すれば、1-2週間で出血は治まってきます。
A. 非常に注意が必要です。症状が隠されている可能性があります。
タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させるため、炎症があっても出血や腫れが現れにくくなります。そのため気づかないうちに重度まで進行しているケースが多いのです。喫煙者の方は症状がなくても定期的な歯科検診が特に重要です。
A. 特定の薬剤は出血しやすくする可能性があります。
抗凝固薬(血液をサラサラにする薬)や一部の高血圧薬などは、歯ぐきの腫れや出血を引き起こしやすくします。この場合、歯科医師と主治医が連携して、薬の調整や治療法を検討する必要があります。服用中の薬は必ず歯科医師に伝えてください。
まとめ:歯ぐきからの出血は「未来の健康」への重要なメッセージです
歯磨きで出血するのは、決して「よくあること」ではありません。それはあなたの体が発する重要な警告サインなのです。
歯ぐきの出血改善のための3つの重要ポイント
- 初期段階なら完全回復が可能です!出血の多くはプラーク(細菌)による炎症が原因で、歯肉炎の段階であれば正しいセルフケアで健康な状態に戻せます。やわらかい歯ブラシで歯と歯ぐきの境目を丁寧に磨き、デンタルフロスも併用しましょう。
- 放置すると全身の健康に深刻な影響が及びます。歯周病は歯を失う最大の原因であるだけでなく、心疾患、糖尿病、妊娠時の合併症など、全身の健康を脅かすリスクファクターです。「たかが歯ぐきの出血」と軽視してはいけません。
- 重度の場合は専門治療が必須です。歯石や深い歯周ポケットの汚れはセルフケアでは除去できません。歯科医院でのスケーリングやルートプレーニングなどの専門治療を受け、その後の定期メンテナンスで健康な状態を維持していくことが大切です。
今日から始められる第一歩は、正しいブラッシング方法の実践です。そして出血が続くようであれば、恥ずかしがらずに歯科医院を受診してください。あなたの勇気ある一歩が、将来の健康な笑顔を守ることにつながるのです。

この記事の監修

八幡 智裕(やはた ともひろ)
当院は、平成10年10月、姫路市勝原区や網干区、太子町の患者様が多い歯科医院です。おかげさまで開院当初から、たくさんの患者様にご来院いただいています。「第一に患者様のことを考えた治療を行うこと」を何より大切にしており、患者さんとの相互理解を重要視し、患者様にご満足いただけるよう医院作りに努めています。
所属学会・研修会
日本歯科医師会 会員/兵庫県歯科医師会 会員/姫路歯科医師会 会員/国際歯周内科学研究会 会員/JPDA 有床義歯学会 会員/研修会筒井塾 咬合療法コース/山田先生エンドベーシックコース/大阪SJCDベーシックコース/大阪SJCDレギュラーコース/OSIインプラントセミナー/S.O.R.Gベーシックコース/JACID インプラント100hコース/CALLベーシックセミナー