歯周病の種類と構造
歯周ポケットとは
歯と歯ぐきの境目にある溝のことを「歯周ポケット」と言います。深くなった歯周ポケットは、歯周病のおもな原因となるプラーク(歯垢)の絶好のたまり場となるため、日々の適切なケアで症状の進行を防ぐ必要があります。
2011年に行われた厚生労働省の「歯科疾患実態調査」によると、プロービング(歯周ポケットの深さ測定)による出血や歯石の沈着などがみられた人は、30代後半で約80%、60代になると、約90%もの割合に上ります。また、健康な歯周ポケットの深さは2~3mmと言われていますが、年齢を重ねるにつれて深さは増していく傾向にあります。歯周ポケットの深さが4mm以上の割合は、30代では25%程度ですが、50~60代になると、その割合は約半数近い数字にまで跳ね上がるのです。
歯周ポケットが深くなると、それだけ汚れが溜まりやすくなってしまい、さらに歯周組織を溶かすことになってしまいます。すると歯周ポケットはまた深くなり、より汚れが溜まりやすくなるという悪循環を繰り返し、最悪の場合歯を失ってしまうこともあるのです。歯周ポケットが深いということは、それだけ歯を支える組織が壊れているということです。大切な歯を守るために、歯周ポケットを深めないよう、しっかりケアをしていきましょう。
歯肉炎と歯周炎
「歯肉炎」「歯周炎」「歯槽膿漏」――このような言葉を聞いたことがあるでしょうか。これらはすべて、歯周病の仲間。進行の度合いやケースによって呼び名が変わります。
歯肉炎は、初期段階の歯周病のことで、歯ぐきに炎症が起きている状態を言います。痛みはほとんどありませんが、歯ぐきが腫れていたり、歯みがきの際に血が出たりといった症状があります。歯周炎と歯槽膿漏は呼び名の異なる同じ状態を指し、こちらは症状の進行した歯周病のことを言います。歯周炎と呼ばれる状態にまでなると、炎症は歯ぐきの骨まで届き、歯ぐきの腫れや出血だけでなく、強い口臭が現れたり、骨が溶け出すことで歯周ポケットが深くなり、歯がグラグラしたりすることもあります。
歯周病は「Silent disease(静かな病気)」という別名があるほど、知らずに症状が進行していってしまう病気。初期段階である歯肉炎の状態だと、ほとんど自覚症状がないためどうしても放置しがちです。そのため、日々の小さな異変に気がつくことが重要になります。歯みがきの際に出血がある場合などはそのサインです。症状にお気づきの際は、早めにご相談ください。
歯周病Q&A
- Q. 歯周病はどんな病気ですか?
- A. 歯に付着したプラークをおもな原因として、歯ぐきや歯周組織に炎症を起こす病気です。初期段階では、歯ぐきの腫れや歯みがき時の出血などがおもな症状となりまる。症状が進行すると、炎症が骨にまで届き、歯を支える歯槽骨を溶かしてしまうことで最悪の場合、歯が抜け落ちてしまうこともあります。
- Q. 喫煙で歯周病の症状が悪化するというのは本当ですか?
- A. 本当です。タバコに含まれる「ニコチン」は血流を悪くさせ身体の抵抗力を弱めると言われています。また、その他にもタバコに含まれる成分が、唾液の分泌量を減らしたり、プラークを付着させやすくしたりするとも言われ、あるデータによれば、喫煙者は、非喫煙者に比べて2~6倍歯周病になりやすいという結果も出ています。
- Q. 歯周病にかかってしまったらどうすればいいですか?
- A. 基本的には毎日のケアが大切になります。日々、正しい歯みがきを行うことはもちろんですが、定期的に通院していただき、付着した歯石を除去するスケーリングなどの処置を行いながら、症状の改善を図ります。
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